コラム

『福祉部長のひとり言』(14)

~特集『精神科医療を問う』に関して~

 

東洋経済で「精神医療を問う」という特集が組まれている。最終回は「『社会守る』精神病院で人権侵害が続発する大矛盾 日本は認知症の強制入院を是とする国でいいのか」という見出しだ。

 

 2013年厚生労働省は「(旧)オレンジプラン(認知症施策推進5か年計画)」を打ち出し、『「認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得ない」という考え方を改め、「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現を目指す。』とした。

 

 しかし、精神科病院への入院は増え続け、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅など入居施設は増え続けているし、精神科病院以外でも介護医療院という類型が作られている。

 

 その記事の中で、日本精神科病院協会の山崎会長は「精神科は今どうにかしてほしいという患者を家族や警察や保健所が連れてきて、精神保健福祉法基づいて強制入院させるシステム」「それが社会秩序の担保と保安機能を担っている」と述べている。この発言は、当事者団体から、「精神障害者を危険視し、保安の対象であるとみなす偏見をあおる」等々批判を受けているし、記事にもあるが、精神科病院での人権侵害などの不祥事は後を絶たない。

 

 認知症とオレンジプランに話を戻そう。

 認知症は加齢とともに発言し、進行していく疾患である。つまり「住み慣れた地域で暮らし続ける」ということを準備できるはずである。デイサービスやヘルパーを利用している人が、最終的に入院・入所になっているのなら、オレンジプランは絵空事でしかない。プランは出されても、介護保険制度や医療制度は旧来のままだからだ。もちろん精神科医療制度も。

 

「精神科医療の改革ビジョン」もそうだったが、次々と国のプランは打ち出されるが、検証されることなく、責任が問われるわけでもなく、「認知症の強制入院を是とする国」は温存されていく。「住み慣れた地域の良い環境」など望むべくもない。

 

 決して他人事ではない。私もあなたも、確実に年をとり、そして認知症の発症リスクは上がっていくのだ。

                                               (下線は筆者)

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