コラム

『福祉部長のひとり言』(19)

~グループホーム考(1)~

 

厚生労働省の社会保障審議会障害者部会(R3.11.5)の資料「障害者の居住支援について(共同生活援助について)」が厚労省のホームページにアップされている。資料のグループホームの「現状・課題」の一部について、以下に転記する。(下線は筆者)

 

グループホームの利用者の中には一人暮らしや家族、パートナー等との同居を希望する者が存在。平成30年度に障害者総合支援法のサービスとして、入所施設やグループホーム等から退居した一人暮らしの障害者等の地域生活を支援する自立生活援助を創設したが、サービスが十分に行き渡っていないため、一定の支援があれば本人が希望する一人暮らし等の生活が可能な者であっても、グループホームに留まらざるを得ない状況がある。

 

また、障害者の親亡き後を見据え障害者の地域生活を支える地域生活支援拠点等の整備を進めているが、一部の市町村における整備に留まっている。

障害者総合支援法の「どこで誰と生活するかについての選択の機会の確保」という基本理念を踏まえ、障害者が希望する地域生活の実現・継続を支える支援の充実が課題。

 

「グループホームの利用者の中には一人暮らしや家族、パートナー等との同居を希望する者が存在」と書かれているが、グループホームに入居していない人にこそ「希望する者が存在」しているだろう。そもそも「グループホームに入居したい」という人はどれだけいるだろうか。

 

当法人でもグループホームを運営しているが、「仕方なく」入居したという人たちが多い。家族に同居を拒否されたり、一人暮らしを反対されたりして、でも一人暮らしは「心配だから…」という消極的な理由でグループホームに入居されている。さらに、同居の親の高齢化に伴い、本人は親と居たいけれど、グループホームに入居されるケースも増加している。

入所施設やグループホームを利用しないと、「自立生活援助」が利用できないというのは、おかしなことだ。家族と同居し続けるために、あるいは親から独立するために「自立生活援助」を利用できるようにしてはどうか。また、「親亡き後を見据え」、今住んでいる家で一人暮らしできるよう援助すればよいではないか。

 

その上で、「一人暮らしは寂しいから…」という人たちが、グループホーム入居を選べるようにすればよいではないかと思う。障害者総合支援法の「どこで誰と生活するかについての選択の機会の確保」という基本理念を踏まえるという意味でも本来的だろう。

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