~今年もまた311~
先日、大阪・深江橋にあるギャラリーふーらで、宮城県気仙沼市にある「リアス・アーク美術館」の展示物の写真とそのキャプションを題材に「モノ語る」といったワークショップ?に参加した。
衝撃的だった。
この美術館に常設展示されているのは東日本大震災の津波被害のガレキなのだ。その展示物の写真とキャプションがギャラリーふーらに展示されている。リアス・アーク美術館の学芸員さんたちが拾い集めた津波の残骸たち。
ぬいぐるみ、携帯電話、どこかの家の床材、折れた電柱、炊飯器、どこかの家にあっただろう風呂やトイレのタイル片、ドアノブ…
これらにつけられたキャプションは、館長の山内さんが、いわば「想像してつけた物語」だ。
炊飯器の写真と一緒に、「平成元年ころに買った炊飯器なの。じいちゃん、ばあちゃん、わたし、お父さんと息子2人に娘1人の7人だもの。 だから8合炊き買ったの。そんでも足りないくらいでね。 今はね、お父さんと2人だけど、お盆とお正月は子供たち、孫連れて帰ってくるから、やっぱり8合炊きは必要なの。 普段は2人分だけど、夜の分まで朝に6合、まとめて炊くの。 裏の竹やぶで炊飯器見つけて、フタ開けてみたら、真っ黒いヘドロが詰まってたの。それ捨てたらね、一緒に真っ白いごはんが出てきたのね・・・夜の分、残してたの・・・涙出たよ。」という文章が寄せられている。
ガレキである炊飯器が作品化し、ココロを揺さぶられる。炊飯器としては役に立たない。津波被害にあわなければ、新品に買い換えられ、不燃ごみに捨てられていたであろうモノたち。
この展示&ワークショップを企画した方々が、さらに自身の想いや体験から「モノ」語り―物語を増殖させていくことで、各々のモノローグを共有していく。そして、最後にお茶を飲みながらの対話の時間。
近いうちにリアス・アーク美術館に行ってみたい。次の津波が来る前に…。
リアス・アーク美術館
http://rias-ark.sakura.ne.jp/2/
みやぎ復興情報ポータルサイト:前例も常識も気にしない。 人の命がかかった展示だから。リアス・アーク美術館 山内 宏泰さん
https://artscape.jp/report/curator/10156245_1634.html