~精神科医療「非自発的入院」から考えられること?②~
推論だが、原因の一つに非自発的入院者数の増加があるのではないかと思っている。2005年措置(4939人)医療保護入院(119,811人)、2014年措置(6861人)医療保護(169,799人)で非自発的入院は約5.2万人増えているのに対し、任意は約4万人減っている。
つまり、“自発的に、納得して入院している人が約4万人減って、本人は納得していないのに無理やり入院させられた人が約5.2万人増えている”ことが、身体拘束と隔離=行動制限を増加させた原因ではないか。
2005年に比して、地域精神科医療も障害者福祉サービスが充実し、薬もデポ剤も開発されているのにも関わらず「同意能力がない」患者が5.2万人も増えたのはなぜか。
かつてに比べて、精神科の入院医療は患者が主体的に使うものではなくなり、どんどん離れていってしまっているのではないか。
人権・権利擁護的な観点から、精神科医療の「敷居を下げる」のは任意入院でなければならず、医療保護入院であってはならない。
悲しいことだが、私たちのやってきた精神科医療、精神障がい者支援は何の成果もあげてないと言われても仕方がないのではないか。指定医制度と精神科救急・急性期治療病棟の施設基準のあり方を含め、抜本的な転換を求めたいと思ってしまうのは私だけか…。
(つづく)