コラム

『福祉部長のひとり言』(36)

 

~ 電気は都会へ、ゴミは田舎へ ~

 

国は原子力発電所から排出される使用済み核燃料、いわゆる「核のゴミ」を一時的に保管する「中間貯蔵施設」の設置場所を募っている。一時的といえども1~2年の話ではないし、最終処分施設がどこにもない状況を考えれば、「中間」かどうかは怪しいものだ。

 

もう何十年もの間、ゴミ箱のないゴミが毎日作られ、ごみ箱を引き受けてくれる自治体をこれから何年も探し続けることになるのだろう。

 

いや、核のゴミという表現は問題があるのかもしれない。使用済み核燃料は立派な資産だからだ。国は使用済核燃料サイクル政策を堅持している。電力各社は再利用される見込みが低い使用済み核燃料を、会社の資産として計上している。この核燃サイクル政策を辞めてしまうと、使用済み燃料は資産価値がなくなるだけでなく、廃棄など余計な費用がかかる「ゴミ」と化す。一般的に、資産はみな欲しがるものだろうが、原子力発電所から生み出された資産を欲しがるものはいない。

 

国はSDGS推進の一環として、CO2の排出量の少ない原子力発電所及び核燃サイクルを一層進めていくとの方針だが、どの国も成功していない核燃サイクル発電が実現するまでにあと何年かかるのか。使用済燃料は各原子力発電所などで保管されているが、貯蔵割合は2023年現在の貯蔵量の総量は約1.9万トンと、約80%にまで達している。だから中間貯蔵施設に手を上げてくれる自治体が必要なのだ。

 

国は原発と同じく、中間貯蔵施設も安全だという。ならば使用済み核燃料は電力使用量の高い自治体順に振り分けてはどうか。本当に安全ならば、問題ないはずだが…ね。

高槻地域生活支援センターオアシス
〒569-0023 大阪府高槻市松川町25-5
TEL : 072-662-8130 FAX : 072-662-8131
E-mail : genki777@juno.ocn.ne.jp

お気軽に!

ページトップへ戻る

ページトップへ戻る