コラム

『福祉部長のひとり言』(41)

 

~フッ素化合物だけじゃない…~

ここ数年前から新聞やテレビニュースに登場するPFAS(炭素とフッ素の原子を持つ化学物質の総称)。中でもPFOS、PFOAは自然や人体の中で半永久的に分解されず、体内に蓄積され、健康に悪影響を与えるとされている。PFOS、PFOAは日本国内での製造や使用が禁止されているのだが、井戸や河川から検出されたというニュースが後を絶たない。

今月のニュースでは、神戸市内の企業が製造したミネラルウォーターから、PFASが検出。食品衛生法上の基準はないが、国が定める水道法の暫定目標値(1リットルあたり50ナノグラム)の最大約6倍に相当する濃度だったとのことだ。

PFASの水質検査の実施は自治体などによる任意のため、国全体では把握できていない。今年6月、国はPFASが一部の地域の水道水から検出されたことなどを受け、全国の水道水の状況を把握するため、自治体や水道事業者に対し、これまでの水質検査の結果などを9月末までに回答するよう要請したとのこと。

 

飲料水について各国が基準値を出しているが、日本は「水1リットルあたり50ナノグラム」(PFOS、PFOAの合計)。ドイツ(2028年からの目標値)1リットルあたり20ナノグラム、アメリカ(今年4月決定)は1リットルあたり4ナノグラム。

内閣府の食品安全委員会は、健康への影響に関する評価を公表。「出生時の体重低下」「ワクチン接種後の抗体低下」「コレステロール値の上昇」などの影響は関連が否定できないとしている。WHOの専門組織である国際がん研究機関(IARC)は昨年、PFOAを4段階中最も高い「発がん性がある」に評価を引き上げている。

 

継続使用だけでなく新設すらいとわない原子力発電所からは、ゴミ箱探しも目途が立っていないまま、「核のゴミ」が生み出されているし、マイクロプラスチックなど、私たちは次の世代にゴミや廃棄物を大量に残していくことになる。国や企業がシステムを変えられないように、レジ袋をやめても、ペットボトルは無くならない。私たちも一度手にした便利さに支配されていくしかないのか…。

 

政党のポスターには「日本を守る」や「安心な社会」なんて文字が並ぶ。かつては「美しい国日本」なんていうのもあったな。このままでは美しい国を子孫に残せない。いや、環境汚染や温暖化の影響を考えると、日本の前に「地球を守る」「安心な地球」くらいのスローガンを掲げる政党が出てきても良いかもしれない。

 

NHK:Web特集

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240606/k10014471451000.html

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