コラム

『福祉部長のひとり言』(5)

~「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」について~

 

国が打ち出している「精神障がいにも対応した地域包括ケアシステム」(以下、「にも包括」)に光愛会も取り組んでいこうとしている。厚労省のサイトをみると『「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」とは、精神障害者が地域の一員として、安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加(就労)、地域の助け合い、教育が包括的に確保されたシステムのことを指します。』と書かれている。

 

「地域包括」という言葉からして、地域全体で取り組む必要があるが、果たしてこのシステムを知っている人がどれだけいるだろうか? 精神医療福祉関係者はもちろん、精神障がい当事者や家族も「当然知っています」ということになっていなければ、「地域包括」とはならない。

 

この「にも包括」に先立って、10年以上前から高齢者施策で「地域包括ケア」が打ち出されているが、どれだけ知られているか。多くの高齢者には届いていないのではないか。(少なくとも、私の親たちは言葉すら知らなかった。)

 

今年3月8日厚生労働省の「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会」の報告書には、基本的な考え方が書かれているので以下にそのまま転記させていただく。

 

○「地域共生社会」は制度・分野の枠や、「支える側」と「支えられる側」という従来の関係を超えて、人と人、人と社会のつながり、一人ひとりが生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らしていくための包摂的なコミュニティや地域社会を創るという考え方であり、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」は「地域共生社会」を実現するための「システム」「仕組み」である。

 

 この報告書の考え方を踏まえれば、事業者「だけ」ではなく、いろんな人に「にも包括」を届けていく必要があるだろうなあ…と。

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