コラム

『福祉部長のひとり言』(31)

アマダン号に乗ってみたい

 

この前、久しぶりに映画を見に出かけた。邦題は「アマダン号に乗って」。フランス・パリのセーヌ川に浮かぶ木造建築の船の名前だ。そしてその船は「精神科デイケア?」「地域活動支援センター?」になっていて、その日常を撮影した映画だ。

 

映画の冒頭、彼の名前は忘れてしまったが、通所者らしき男性がギターの伴奏でフルコーラス歌い上げるのだが、その迫力あるパフォーマンスにやられてしまった。メロディも歌詞も素晴らしい。彼は最後まで歌い上げ、拍手を浴びながら「テレフォン」の「人間爆弾」という曲だと紹介した。

 

誰がスタッフで、誰が利用者なのかわからないまま、年齢・人種・個性…が、船の上での一日を共に過ごしている。アマダン号の日々を淡々と撮っていて、取り立てて「何も起きない」ので、眠気と闘いながらの2時間だった。

 

彼らの日常や人生が垣間見えると、冒頭の「人間爆弾」の歌詞が思い出された。

「誰かに自分の運命を任せたら ほら 終わり 終わり」「自分を手放すべきじゃない」「人間爆弾 君が持つんだ」

 

そして何より、フランス人たちはタバコ吸いばかりで安心した。アマダン号ではデッキなどのオープンエアで皆吸っている。アマダン号のデッキでセーヌ川を眺め、フレンチコーヒーを飲みながら、ゆっくりタバコを吸って過ごしてみたい。

映画を観終わった後に、タバコが吸いたくなり、そのビルの喫煙所に行った。やはり「窓のないアヘン窟のような喫煙所」ではタバコの味など楽しむことはできない。あれこそニコチン窟だ。

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