2016年7月に起きた障害者虐殺事件「津久井やまゆり園事件」から10年がたちます。やまゆり園の元職員が刃物を所持して施設に侵入して、入所者19人を刺殺、職員を含めた計26人に重軽傷を負わせた事件でした。
この事件の犯人は「重複障害者は生きていても意味がないので、安楽死にすればいい」と述べ、施設内にいた重複障害者を選んで殺害しました。事件当時、人の価値に優劣をつける優生思想によるヘイトクライムとして大きな話題となり、この犯人の特異な思想・言動がゆがんだものとしてショッキングに報道されました。
「犯人の特異性」や「施設の体質」は問われても、この事件を生み出したであろう社会の中に散見する優生思想や障害者差別は放置されてきました。
毎週のように施設やグループホームなどでの障害者虐待事件が報道されていますが、それは施設の教育や体質だけの問題でしょうか。
「障害者ビジネス」や「障害者雇用ビジネス」を生み出している社会の中に、「障害程度区分認定調査」という制度の中に、障害者総合支援法そのものにも、経済的価値や効率化を求める社会の中に、「犯人の価値観」と同じものが潜んでいるのではないでしょうか。
それは、私の中に、私たちの中に潜んでいるものだと思います。
この事件を忘れず、継承していくことで、私たちの内外にある優生思想を問いなおし、向き合っていきたいと思っています。